まつげエクステやまつげパーマで受けたダメージを補修し、ボリュームの減ったまつ毛をケアするためのものとして、まつ毛美容液は多くの女性に愛用されています。
目元をより美しく魅力的に見せるためのものであるにもかかわらず、実は、まつ毛美容液が原因で色素沈着を起こしてしまうことがあるんです。
まつ毛美容液で本当に色素沈着してしまうのか、また、まつ毛美容液の副作用についてさまざまな疑問を解消していきましょう。
この記事でわかること
まつ毛美容液で色素沈着する原因成分はビマトプロスト?
「ビマトプロスト」が色素沈着の犯人?!
ビマトプロストは、緑内障の治療として眼圧を下げるために用いられる点眼薬に含まれている成分。
この成分には、まつ毛が伸びたり太くなったりする副作用があります。
時代のトレンドがアイメイクを重視するようになり、まつげを強調した目元づくりがポピュラーになってから、この「副作用」に注目が集まるようになりました。
ビマトプロストがまつ毛の育毛に効果的だと認められたことで、美容クリニックや眼科で保険適用外ではありますが、「グラッシュビスタ(ラティース)」をまつ毛美容液として処方できるようになり、現在、たくさんの女性たちがその恩恵を受けています。
これらの薬は、目元に塗り続けることでまつげが伸び、毛量が増えるなどたくさんのメリットがありますが、一方でその副作用が指摘されているのも事実。
そのうちの一つが色素沈着なのです。
ビマトプロストが色素沈着を引き起こすメカニズム
クリニックで処方されるビマトプロスト含有のまつ毛美容液は、使い捨てのブラシに液をつけてまつ毛に塗って使います。
これには、使い続けるうちに目の周り(まぶたなど)のメラニン色素が増える副作用があり、黒ずみが出現。
ターンオーバーでも排出しきれないほどになると、メラニン色素がそのまま目の周りに定着し、くすみやクマのようになって色素が沈着してしまいます。
また、目の赤みや充血、まぶたが落ちくぼんだようになったり、下がったりしてくることも報告されています。
これらの副作用によるかゆみや違和感で、強い力で目をこすってしまうと皮膚にとって大きなダメージとなり、肌の自己防衛反応としてメラニン色素が増加。
加えて、まばたきが増えることで目の周りの筋肉が疲労を起こしてたるみやすくなるため、目の周りに影ができやすくなって色素沈着を起こしたように見えるということも挙げられます。
医薬品であるため、まつ毛の育成には大きな効果が期待できるものの、体に及ぼす影響も大きいというリスクを踏まえておくことが必要です。
ビマトプロストの効果
「グラッシュビスタ(ラティース)」は、国内初の厚生労働省認可を受けた「睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)」の治療薬です。
まつ毛の細さや抜け毛による毛の少なさを改善するためのものとして、医師の診察のもと処方されます。
まつ毛には、毛が伸びる成長期、毛が抜けるのを待つ後退期、毛穴が活動を休んでいる休止期というヘアサイクルがあります。
まつ毛のヘアサイクルの周期は、およそ4カ月。
頭髪が3年から6年ということに対して、まつ毛の毛周期は非常に短いのが特徴です。
ビマトプロストは、休止期の毛包に刺激を与えたり成長期を延ばしたりすることで、毛の成長を促し抜けにくく強いまつ毛を育てるという効果があります。
薬としての効果が高いことはもちろん、まつ毛のヘアサイクルが短いことで比較的早い効果が実感できるのだとか。
その他にも考えられる色素沈着の原因って?
目をこすることによる色素沈着
まつ毛美容液に色素沈着を起こす成分が入っていなくても、まつ毛美容液が目の周りについたり、何かの原因で目にしみたりした時に目をこすると、その刺激で皮膚がメラニン色素を生成し、色素沈着につながることがあります。
ティッシュや綿棒などを使って拭うようにすることも、大きな肌ダメージとなって黒ずみに。
目の周りの皮膚はもともとバリア機能が弱く、指で触れる程度のかすかなものであっても刺激となりがちなので、なるべく触れないようにすることが大切です。
まつ毛美容液に含まれる成分のアレルギー反応
まつ毛美容液に含まれている成分にアレルギー反応を起こすことで、目の周りの炎症を起こした皮膚が黒ずんだように見えるということもあります。
まつ毛美容液は、無添加であったり、アレルギーテスト済みだったりと安全性が高いものが大半ですが、すべての人がアレルギーを起こさないとは限りません。
ですから、どんな商品であっても炎症を起こすリスクはあるということを覚えておきましょう。
アレルギーである場合は、色素沈着だけでなく、目の赤みやかゆみもあることが多いので、ひどく炎症を起こしてしまった場合には、必ず専門医の診察を受けるようにしてください。
安全なまつげ美容液の選び方
個人輸入は危険!医師の処方を受けること
ビマトプロストが含まれた薬には、前述でご紹介した「グラッシュビスタ(ラティース)」の他に、「ルミガン」「ガンフォート」「ケアプロスト」「ビマトアイドロップス」などさまざまな種類があります。
「グラッシュビスタ(ラティース)」は、まつ毛を育毛するためのものとして日本やアメリカで認可を受けている薬。
しかし、「ルミガン」をはじめとした他のものは、緑内障の治療薬です。
ビマトプロストが含まれているので、まつ毛が伸びる効果はあるものの、作られた目的が違うので思わぬ副作用が心配です。
また「グラッシュビスタ(ラティース)」には、まつ毛に湿布するための専用ブラシ(アプリケーター)が付いているのに対し、他のものは自分で用意しなくてはならないので、塗りにくかったり、うまく塗ることが難しかったりするというのもデメリット。
ビマトプロストが含まれた薬は高眼圧症治療薬を使っている人や、過去に眼圧障害を患ったことのある人などには使用がすすめられておらず、妊婦や胎児への安全性が証明されていないことから、マタニティママには禁忌です。
最近では、医師の診察なしに、インターネットを介して簡単に個人輸入をすることができますが、自己判断で使用することによるトラブルも続出しています。
万が一のトラブルに対するリスク回避対策として、必ず日本国内のクリニックで医師からの処方を受けるようにしましょう。
日本の市販品は大丈夫
現在日本で発売されている市販のまつ毛美容液に、色素沈着の原因とされるビマトプロストが含有されたものはありません。
ですから、日本の会社を通して売られている市販品であればどれを選んでも大丈夫です。
まつ毛美容液には、添加物や香料、アルコールフリーの無添加のものや、オーガニック原料を使った安全性の高いものがたくさんありますが、中には入っている成分にアレルギー反応を起こしてしまう人がいるので、初めて使う商品は一度パッチテストを行うことをおすすめします。
まつ毛美容液で色素沈着してしまったら?
直ちに使用をやめる
色素沈着をしているということは、目や肌に負担がかかり、ダメージとして現れている証拠です。
まつ毛美容液をはじめてから色素沈着が気になるようになったのであれば、すぐに使用をやめて様子を見るようにしましょう。
少し症状が治まったからといって自己判断で再開することはせず、念のため医師の診察を受けることをおすすめします。
色素沈着が起こりながらも続けることで、予想だにしなかった大きなトラブルにつながることもあるので、デリケートな目の周りのことだからこそ慎重に対応するようにしましょう。
ターンオーバーを促す努力を
目元の黒ずみは、メラニン色素がうまく排出されていない証拠。
ですから、ターンオーバーを促進して、肌の生まれ変わりをスムーズにするために日常から心得ましょう。
目元の皮膚は薄く、他の箇所に比べると4分の1ほどしかないので、ピーリングやゴマージュは負担となって黒ずみを招くためNG。
十分な睡眠時間を確保したり、しっかりと保湿をするなど、ターンオーバーしやすい環境を整えることが大切です。
まとめ~目の安全を考えてまつ毛美容液を使用しよう!~
まつ毛美容液にビマトプロストが含まれているものは、副作用として色素沈着が起こりやすいという問題点があります。
しかし医師のアドバイスに基づき正しく使用することで、そのリスクをグンと下げることができるので、使用中に違和感やトラブルがあった場合、些細なことでもすぐに専門医の診察を受けるようにしましょう。
目の周りをこするなど、刺激を与えないことも大切。
生活習慣を正し、保湿対策を十分にして肌状態を整えておくことで、黒ずみを少しでも防ぐことができます。
まつ毛美容液にはたくさんのメリットがありますが、一方で副作用などのデメリットがあるということも念頭に置いておきましょう。
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