顔にポツポツと現れるニキビ。
炎症が進むと化膿したり痛んだりして、とても憂鬱な気分になりますよね…。
ニキビができる原因は、ホルモンバランスの変化、過剰な皮脂分泌、毛穴詰まりなどといわれていますが、実はニキビ菌とも呼ばれる「アクネ菌」の繁殖が大きく関係しているんです。
ニキビを防ぐには、まずニキビの原因であるアクネ菌のことをよく知っておかなければなりません。
今回は、この「アクネ菌」に注目し、アクネ菌でニキビができる理由、アクネ菌の繁殖を防ぐ方法などをくわしくお話していきます。
ニキビができやすくて悩んでいる人は、ぜひじっくり読んでくださいね。
この記事でわかること
アクネ菌の正体とは
アクネ菌は、よく「ニキビ菌」とも言われ、まさにニキビの原因となる細菌です。
皮膚常在菌のひとつで人の皮膚や毛穴に存在しており、脂質が大好物。
そのため、皮脂の分泌が多い人はアクネ菌が増殖しやすく、ニキビができやすくなります。
また酸素が苦手なアクネ菌は、毛穴が詰まって空気に触れなくなるとさらに元気に活動し、どんどん繁殖していきます。
アクネ菌が活発に活動すればするほど、ニキビができやすくなるので要注意!
では、アクネ菌によってニキビができるメカニズムをくわしく見ていきましょう。
アクネ菌でニキビができるメカニズム
ニキビができるのは「脂腺性毛包(シセンセイモウホウ)」という毛穴からです。
脂腺性毛包は、顔・胸・背中などにあるため、これらの部分にニキビが発生しやすくなります。
ニキビができる最初のきっかけは、毛穴詰まり。
毛穴の出口が開いていれば皮脂はちゃんと排出されますが、毛穴が詰まると毛穴内に皮脂がたまってしまいます。
この状態がいわゆる「白ニキビ」ですね。
皮脂は、皮膚常在菌であるアクネ菌のエサになるので、毛穴内の皮脂が増えることでアクネ菌がじわじわと繁殖していきます。
さらに、毛穴詰まりを起こすと空気に触れなくなるため、これも酸素が苦手なアクネ菌には好都合。
毛穴が詰まることで、毛穴内はアクネ菌にとって非常に恵まれた環境になってしまうのです。
アクネ菌が増えると、じきに皮膚は炎症を起こし「赤ニキビ」へと進行していきます。
赤ニキビになるとジンジンと痛みが生じ、ひどい場合は化膿してしまうことも。
こうなると、ニキビの炎症が治るまでしばらくはメイクもままならず、大きなストレスとなってしまいます。
アクネ菌を殺菌すればニキビはできない?
ニキビができるのは、アクネ菌が異常繁殖して皮膚が炎症を起こすから。
「それなら、アクネ菌を殺菌すればニキビはできないんじゃないの?」
そう思う人もいるかもしれません。
でもアクネ菌は皮膚常在菌なので、いくら殺菌しても100%無くすことは不可能なのです。
そもそもニキビは、アクネ菌の増え過ぎが原因の炎症であり、アクネ菌自体は悪いものではありません。
アクネ菌は皮膚の酸性度をコントロールする役割を担っており、皮膚を弱酸性に保つことで細菌などの外的から肌を守っているのです。
そのため、ニキビを予防するにはアクネ菌の殺菌ではなくアクネ菌を増殖させないためのケアがポイントとなってきます。
アクネ菌を増殖させない方法
ニキビを防ぐには、アクネ菌の異常繁殖を阻止しなければなりません。
アクネ菌は常在菌なのでまったくゼロにするのは不可能ですが、できるだけ増えるのを防ぐ方法を紹介します。
保湿ケアをしっかり行う
アクネ菌繁殖の原因となる毛穴詰まりや、皮脂の過剰分泌を避けるには、丁寧な保湿ケアが欠かせません。
皮膚の水分量が低下すると、角質が硬くなって毛穴が詰まりやすくなるうえに、肌がうるおい不足と判断して皮脂を余計に分泌してしまいます。
それを防ぐには、普段から保湿成分の含まれた化粧水などを使用してうるおいをしっかり補充することが肝心。
ただし、油分の多いクリームやオイルには注意が必要です。
よほどの乾燥肌でないかぎり、油分の補い過ぎは避けるようにしましょう。
アクネ菌を増殖させない処方になっているニキビ肌用化粧水などを使うのもおすすめ。
睡眠をしっかりとる
ニキビはホルモンバランスの乱れやストレスが引き金になることも少なくありません。
そのため、日ごろから睡眠をしっかりとって、いつでも心身をフレッシュな状態にしておくことが大切です。
また、肌の再生にも睡眠は大切。
病気や菌の感染を防ぐいちばんの秘訣は、健康でいること。
健康な体は抵抗力も強く、トラブルに負けない肌作りをサポートしてくれますよ。
食生活を見直す
脂質や糖質の多い食事をしているとアクネ菌が増えやすくなります。
揚げ物や脂身の多いお肉はできるだけ避け、ごはんやうどん、パスタなどの炭水化物、ケーキやクッキーなどのお菓子類も、食べ過ぎないように気を付けましょう。
逆に積極的にとりたいのが、代謝をうながすビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンCが豊富に含まれた食品。
食事からの摂取が望ましいですが、足りない分はビタミン剤を利用するのもおすすめです。
アクネ菌は人にうつる?
皮膚の病気の中には、水虫や疥癬など人にうつるものがありますね。
ニキビは人に感染するのでしょうか?
「もしニキビ菌がうつったら、私にもニキビができてしまうの?」
「自分のニキビが人にうつる危険性は?」
そんな心配をしている人もいるかもしれませんが、基本的にはニキビ自体が人にうつることはないといわれています。
ただ、アクネ菌が人から付着した場合、元からある自分の常在菌にプラスして人からうつったアクネ菌が増えるわけですから、それだけニキビができる可能性は高まるといえるでしょう。
実際のところ、常在菌であるアクネ菌が多少増えたくらいではさほど影響はないと考えるのが自然ですが、皮膚を不潔にしていたり、抵抗力が弱まっていたりするときは、ニキビの発生につながるケースもゼロとはいえません。
アクネ菌の感染を予防するための対策ポイント
メイク道具の貸し借りはしない
メイクブラシやファンデーションのスポンジなど、顔に直接使用するメイク道具はアクネ菌が付着している可能性が高いです。
人との貸し借りは控えるのが無難でしょう。
ハンカチやタオルの貸し借りはしない
メイク道具同様、ハンカチやタオルも用心するに越したことはありません。
手に付着した菌が顔に付いたり口に入ったりするのはよくあることなので、アクネ菌予防に限らず衛生面からもハンカチやタオルは必ず自分のものだけを使用するようにしましょう。
皮膚を清潔に保つ
アクネ菌は皮脂の過剰分泌で増殖しますから、普段から肌の清潔を心がけて余計な皮脂や汚れがいつまでも皮膚に付着したままにならないよう気を付けましょう。
とはいえ、洗顔のやり過ぎや油取り紙などの使い過ぎは、逆に皮脂の分泌をうながすことにつながり逆効果になってしまいます。
洗顔は朝と晩の2回で十分ですし、油取り紙もそれほど頻繁に使わなくて大丈夫。
あまり神経質になり過ぎると、かえって肌を傷めてしまうので注意してくださいね。
それよりも、洗顔の際は清潔なタオルを使う、メイクブラシやパフなどは適度な頻度で洗う、汚れた手で顔を触らないといったことが肝心です。
まとめ~ニキビの原因にもなるアクネ菌を増殖させないケアを~
アクネ菌はニキビの原因菌ではありますが、皮膚にとって大切な働きをしてくれる常在菌なので、増え過ぎに気を付けて上手に付き合っていくことが大切です。
日ごろからスキンケアや食事内容、生活習慣に気を配り、ニキビができない健康的な肌を目指していきましょう。
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