『生理の前や生理中はいつもより眠いし、だるいような気がする…』
というのは、気のせいではありません。
生理中の眠気は、女性特有のホルモンバランスなどが影響したごく自然な欲求で、動けないほど眠いとか、眠気が治まらず一日中寝てるということは、決して特別なことではないのです。
とはいえ、学校や職場で強い眠気が襲うと困ることもありますよね。
そこで、生理中にいつもより眠気を感じやすくなる理由と、眠気が起きてしまった時の対処方法についてご紹介します。
この記事でわかること
生理中はなぜ眠い?眠くなる理由と原因
まずは、なぜ生理中に眠くなるのかについて、その理由について考えてみましょう。
生理中に慢性的に眠いと感じるのは、確かな理由があるのです。
【眠い理由①】体温が上がるため
代表的な理由の一つが、生理前から生理中にかけて体温が高くなるからです。
あたたかくなると心地よくなり、自然と眠くなりますよね。
布団にくるまっている時やこたつの中でぬくもっている時など、体温が上がるとうつらうつらして、気が付いたら眠ってしまっていたという経験をしたことのある人も多いでしょう。
人は、眠くなると一時的に体温が上がります。
しかし、この場合上昇してるのは体の表面温度のことであり、体の深部体温は眠りに入るにつれて下がっていきます。
では、なぜ体の表面温度が上がるのでしょうか。
それは、体の表面から熱を放出することで、体の深部体温を効率よく下げ、熟睡モードに誘導するためです。
そもそも眠りとは、昼間にフル回転した脳がオーバーヒートしないように、眠ることで体や脳の温度を下げて休ませるためのもの。
人が永く、健康で生きていけるよう、生理現象として定期的に眠気が襲うようになっているんですね。
さて、女性は排卵日を迎えてから生理が始まるまでの約2週間、プロゲステロンという女性ホルモンの働きにより、いつもより体温が0.3~0.5度程度上昇します。
排卵後の高温期には、体表面の温度と共に深部体温も上がっているため深部体温が下がりにくく、なかなか熟睡モードになることができません。
夜の眠りが浅くなりがちなため、朝起きれないとか昼間に眠気を感じるようになります。
【眠い理由②】女性ホルモンが眠気を誘う
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります。
生理が始まってから次の排卵までに優位になるのがエストロゲン。
肌ツヤをよくしたり、体の調子を整えたりと、排卵に向けて女性の魅力を高める作用があり、別名で「美人ホルモン」とも呼ばれます。
排卵後に優位になるのが、プロゲステロン。
プロゲステロンは、妊娠した場合に赤ちゃんや体を守るため体調が不安定になり、イライラしたり、甘いものが無性に欲しくなったりと心も乱します。
また、プロゲステロンは眠気を誘う「メラトニン」というホルモンを分泌させると言われています。
メラトニンは本来、夜に分泌が多くなるものですが、生理前や生理中にはいつもより分泌量が増加。
そのため、昼夜問わず眠気や倦怠感を自覚しやすくなり、疲れやすいように感じます。
【眠い理由③】睡眠リズムが乱れやすい
私たちは、体温が下がることで熟睡することができますが、生理の時はプロゲステロンの体温上昇効果で体温が下がりにくいため、眠りが浅くなりがち。
睡眠中は、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠が交互に訪れ、一定のリズムが繰り返されることですっきり目覚めることができます。
しかし、眠りが浅くなることで夜中に起きてるとリズムが乱れ、ぐっすり眠れた気がせずに疲労やストレスがたまり、頭痛などの不快な症状を引き起こしてしまうこともあります。
眠いのはいつまで?
眠気を誘発する女性ホルモン、プロゲステロンは、排卵日から分泌量が増え、生理が始まると減少して通常に戻ります。
ですから、眠気を強く感じるようになるのは、排卵日以降、生理が始まって数日頃まで。
また、生理が始まってからは出血による鉄分不足で貧血になりやすいため、異常に眠いとか、いつもより疲れやすいなど、だるさを感じやすくなります。
生理が終わってから排卵日までは、もう一つの女性ホルモンであるエストロゲンが優位になるため、強い眠気が襲ってくることはほとんどなく、生理終わりかけ頃にはいつもの状態に戻るでしょう。
しかし再び排卵が起こると、プロゲステロンが優位になることで睡魔が襲いやすくなり、50代前半頃で閉経するまでそのようなサイクルが繰り返されます。
眠い時はどうする?生理中の眠気の対処方法
生理中に眠気が襲ってきた時、どのように対処したらいいのでしょうか。
いっそのこと寝てしまった方がいいのか、それとも、何らかの対策をして眠気を吹き飛ばしてしまった方がいいのか悩むところでしょう。
ここでは、生理中に眠気に襲われたときのうまい対策方法についてご紹介しましょう。
いっそのこと寝た方がいい?
寝ることができるのなら、「眠い!」と感じた時に仮眠を取るといいでしょう。
ただし、仮眠の時間が長いと余計に眠気や倦怠感を引き起こすので、短時間で済ませることがおすすめ。
15分~20分程度に留めることで脳がすっきりし、1時間以上昼寝をするよりも眠気や疲れが吹き飛びます。
睡眠環境を整える
極端に暑いとか寒いなど不快な環境で熟睡することができず、日中に眠たくなってしまいます。
睡眠環境づくりを工夫して、深い眠りにつくことができるようにすることが、眠気対策に有効です。
質のいい眠りに適した室温は、夏場は25℃から26℃程度、冬場は22℃から23℃程度なので、扇風機や空調をうまく使いながら室温を調整しましょう。
湿度は50%から60%が理想。
じめじめしやすい梅雨時期や夏は除湿、乾燥しがちな冬は加湿をするなど、室温とともに湿度コントロールをすることも大切です。
入浴をする
湯船につかって体を温めると、血行が良くなって筋肉の緊張が解けるだけでなく神経も安らぎ、心身ともにリラックスすることができます。
また、体温が上昇するため、お風呂から上がった後に熱の下がり幅が大きくなり、眠気が起きやすくなります。
ただし、寝る直前にお風呂に入ると、体の熱がなかなか引かずに眠りが浅くなるので、注意が必要。
できれば就寝の1時間半くらい前までには入浴を済ませることがおすすめです。
漢方薬を飲む
漢方は、特に東洋で昔から愛用されてきた療法で、自然由来の成分を体に摂り入れることで、無理なく調子を整えるというものです。
PMS(月経前症候群)に処方されるポピュラーな漢方が「桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがん)」。
生理前や生理中の眠気にいいとされているのが「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」です。
漢方は、医師が処方することで手に入れられるものと、薬局や漢方の専門店で誰でも手に入れられるものの2種類ありますが、いずれにしても専門家のアドバイスを受けて購入するようにしましょう。
漢方は即効性のあるものではなく、長く続けることで徐々に効いてくるもの。
ですから、効果を実感するまでには時間がかかるということを理解しておきましょう。
漢方薬には「薬」という字が使われていますが、睡眠薬と同じほどの強い効果は期待できません。
また、効き方には個人差があり、体質に合う人もいれば、合わずにほとんど効果を感じられないという人もいます。
アロマを焚く
アロマとは、花や植物、フルーツなど自然に存在するものから抽出した芳香によって心や体を健康に導く療法です。
生理中の眠気対策のためには、眠気を感じた時に覚醒効果のあるアロマの香りを嗅ぐか、就寝前にリラックス効果のあるアロマで心地よい眠りを目指すかの2パターンあります。
眠い目を覚ますのに効果的なアロマが、ユーカリやペパーミント、レモンなど、香りに清涼感のあるもの。
自律神経を整える働きがあり、生理中のイライラやぼーっとする気持ちをさっぱりさせて、体全体を目覚めさせる効果を期待できま。
就寝前に芳香浴をするとよく眠れるといわれているのが、甘い香りが特徴のラベンダーや、森林浴をしているかのような香りが心地いいシダーウッド。
これらのアロマにはリラックス効果があり、神経を落ち着かせて深い眠りにいざないます。
最近では専門のスタッフがオリジナルオイルを調合してくれるアロマの専門店があったり、アロマディフューザーやアロマランプなど種類が豊富だったりと、誰もが気軽に芳香浴を楽しむことができます。
もし仕事中に眠くなったら…
仕事中の眠気、困りますよね。
眠気を完全に冷ますことはできませんが、和らげることなら可能です。
眠気を少しでも和らげたいのなら、まず、耳の周辺をマッサージしてみましょう。
耳にはたくさんの神経やツボが集まっており、特に、耳の前、顔と耳の境目あたりや耳たぶは敏感です。
耳の周辺を軽くなでたり、耳たぶを引っ張ったりしながら刺激することで、目を覚ますことができます。
そのほか、デスクワークをしているなら立ち上がってウロウロ歩き回ったり、建物の中にばかりいるのなら外の空気を吸いに出かけたりなど、体を動かすことは気分転換に大きな効果があるでしょう。
大切な仕事のある日に生理特有の眠気に悩みたくないという人は、低用量ピルを服用して、生理周期のコントロールをするということも対策法の一つです。
眠さが倍増!生理中の眠気を誘う生活習慣とは
生理中はただでさえ眠気や倦怠感に襲われやすい期間ですが、さらに日常の何気ない行動や習慣が眠気を強めていることがあります。
ここでは、生理中にさらなる眠気を誘う生活習慣について代表的なものをピックアップし、生理中に眠くならない方法をご紹介します。
【眠気の原因①】食事
血糖値が上がると体温が上がり、眠気が起こりやすくなります。
血糖値は、糖分を多く含む食べ物を食べた時に一気に上昇するので、生理中は特に炭水化物や甘いものを食べすぎないように注意しましょう。
野菜や海藻など食物繊維の多いものから食べ始めると血糖値の急上昇を押さえることができるので、意識しながら食事をしてみてください。
また、食べ過ぎは不眠のもと。
特に、生理前や生理中に分泌量が優位になるプロゲステロンには、食欲を増加させる作用があり、いつもより食欲旺盛になりがちなので、注意が必要です。
人の体は、寝ている間、私たちが無意識のうちにも活動をしており、胃にたくさんの食べ物があると、消化や吸収のために常に動いている状態。
繊維の多いものや肉などの脂物は消化に時間がかかるため、胃に大きな負担となるので、食事は眠る2時間前までには済ませるようにしましょう。
どうしてもお腹がすいて寝られないという時は、消化のいいヨーグルトを食べたり、ハーブティーやホットミルクなどのあたたかい飲み物を摂ったりすることがおすすめです。
寝る時には、胃の中に食べ物がほとんどない状態にしておくと、体が余分な労力を使うことなく、ぐっすり眠ることができます。
【眠気の原因②】カフェイン
起きている間、脳細胞は活発に活動しています。
日中の活動の副産物として出るのがアデノシンという物質です。
脳内には、アデノシンを受容するレセプターがあり、アデノシンがレセプターにくっつくことで脳への神経伝達が抑制され、眠気が起こるという仕組み。
カフェインはアデノシンと構造が似ており、脳内に入ってアデノシンよりも先にレセプターにくっついてしまいます。
本来であれば、アデノシンがレセプターにつくことで脳を休めようと神経伝達をストップさせますが、カフェインが先回りをすると神経が休まらず、なかなか眠れなくなるというわけです。
またカフェインは、代謝や血圧を高めるコルチゾールというホルモンの分泌を促します。
コルチゾールは朝に多く分泌され、夜になると低くなることで体のリズムを整えている大切な存在。
しかし、頻繁にカフェインを摂取することでコルチゾールの分泌をいつでも促していると、夜になってもその量が下がらず、不眠を招くことがあります。
カフェインは、人によって代謝に差がありますが、血中濃度が半分になるには4時間から6時間かかるので、コーヒーを飲んでブレイクタイムを過ごすのであれば、なるべく早いうちに飲み終えたほうがいいかもしれません。
生理中は、ただでさえ睡眠リズムが崩れやすく熟睡しづらいので、ランチ後のコーヒーで最後にするか、遅くとも3時のおやつタイムまでにしておきましょう。
【眠気の原因③】アルコール
「寝酒」という言葉があるように、寝る前にお酒を飲むとぐっすり寝ることができるような気がしますが、実際はそうではありません。
ですから、生理前や生理中に「最近よく眠れないから……。」と寝酒を試みるのは逆効果でしょう。
実はアルコールの摂取は、睡眠を妨げるものなので注意が必要です。
お酒を飲んでから寝ると、体はアルコール分解のために内臓をフル回転させるため、内臓を動かすために脳も忙しく働きっぱなしの状態。
体を活動的にする交感神経が高ぶって脳が休まらないため、眠りが浅くなるのです。
ですから、お酒の量が多ければ多いほど、体への負担が大きくなるため熟睡できず、起きた時にだるさを感じるようになります。
またアルコールは、PMSや生理中の腹痛などの辛い症状を強めることも。
体の調子がデリケートになっているため、悪酔いする可能性も否めません。
生理前や生理中にお酒を飲むのなら少量に留め、熟睡するためには、夕食時など寝る数時間前には飲み終えるようにしましょう。
【眠気の原因④】夜更かし
夜更かしは、言わずと知れた不眠の原因です。
眠気を我慢していつまでも起きているとかえって脳が覚醒し、脳の興奮状態が続くようになります。
すると、体は疲れているのに脳は起きているという逆転現象が起こり、目をつむってもなかなか寝付けず、朝方になってようやく眠りについたと思ったら、すぐに起床時間がやってきたということになりかねません。
夜更かしをすると睡眠リズムが乱れるので、日中の眠気につながります。
生理前や生理中は、ただでさえ女性ホルモンの働きで睡眠リズムが乱れやすいのに、そこに夜更かしをすることで輪をかけると、体にダメージを与えることに。
十分な睡眠をとることができないと自律神経が乱れ、代謝が落ちてむくみやすくなったり、気分が落ち込みやすくなったりと、心と体に支障をきたす可能性もあるでしょう。
【まとめ】生理中のねむさだるさと上手に付き合おう
生理の時に眠くてしょうがないのは、女性ホルモンの仕業によるものなのでしょうがないことです。
人によって、眠気を強く感じる人とそうでない人がいますが、ともあれ、眠気を感じるということは、体が休みたがっているというサイン。
無理せずに、欲求に正直に寝てしまうことが一番かもしれません。
どうしても寝ることができないというシチュエーションでは、ご紹介した方法で眠気を和らげたり、あらかじめしっかり睡眠をとっておいて眠気が起こりにくくするように対策することがおすすめです。
生理中の眠気とうまく付き合って、快適に過ごしてくださいね。
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