生理(月経)前になると「体がだるい」や「やる気が出ない」というココロの不調や肌荒れ、体の痛みなどに悩まされていませんか?
女性の多くはこのような悩みがあり「みんなそうだから」と思っていることでも、もしかしたら「月経前症候群」になっている可能性があります。
月経前症候群は「PMS(Premenstrual Syndrome)」と呼ばれ、女性の悩みとして最近は良く知られていますよね。
なんとなく自覚症状をもっている女性が多いのですが、PMSの症状は数え切れないほどの種類があり、人によって、その時の体調や月によっても症状や重さが変わってきます。
普段とは異なるココロとカラダの変化に不安や憂鬱になる女性も多いでしょう。
そんなPMSを引き起こしてしまう原因と、症状を緩和し上手に付き合っていくコツを紹介します。
毎月訪れるものですから、知識をつけてしっかり向き合っていきたいですね。
この記事でわかること
PMS(月経前症候群)の原因とは?症状を悪化させるNG行動
月経(生理)の1~2週間前から起こる不調で、生理がきたと同時に症状が緩和し消えていくことが多いです。
実は女性の80%以上が症状を感じているというデータもあり、多くの女性を悩ませています。
主にイライラしたり、怒りっぽくなったり、だるいなどのココロの不調と、下腹部の痛みや頭痛、乳房が痛いなどのカラダの症状に分けられ、合わせると200種類以上の症状があるのだとか。
どうしてPMS症状が起きてしまうのかというと、女性ホルモンが関わってきます。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、この2つのホルモンの分泌量はそれぞれ時期で異なります。
エストロゲンは月経14日目には分泌量が落ち着くのに対して、プロゲステロンは14日目を境に増えるのです。
この2つのホルモンの変動が原因になってPMSを発症すると言われています。
ちなみに2つのホルモンはこのような役割があります。
◆エストロゲン
・自律神経を整える
・女性らしいふっくらした体を作る
・子宮内膜に厚みを持たせる
・骨、血管を強くする
・肌の潤いを保つ
◆プロゲステロン
・妊娠中の体の安定に必要
・基礎体温を上げる
・食欲を増す
・子宮内膜の保持
・皮脂を分泌させる
・眠気を促す
PMSはホルモン分泌量の変動でバランスが崩れてしまうのが根本的な原因と言われていますが、症状を更に悪化させてしまう「NG行動」があるので紹介します。
これらの項目に当てはまる方は要注意!
1つ1つ気をつけていきましょう。
<PMSを悪化させるNG行動>
・仕事や人間関係に悩みがる
・ちょっとしたことで落ち込み、いつまでも引きずる
・何事も我慢しがち
・食べ物の好き嫌いが多い
・野菜が苦手、嫌い
・甘い物が好き
・お酒、たばこがやめられない
・新しい生活、環境の変化があった
PMSの症状とは?ココロとカラダの不調
PMSは人によって症状が異なり、程度も人それぞれなので辛さが理解できない人もいます。
「本当はつらくないんじゃない?」と思われてしまうかもと思うのがまたストレスになって症状が悪化し、悪循環になってしまうのがPMSの辛い所。
なので、症状として自分で認識して付き合っていくこともPMSを緩和する方法の1つでもあるのです。
先ほど紹介したように、ココロとカラダの不調(症状)があります。
一部ですが、主な症状を紹介します。
◆ココロ
・イライラする
・精神が不安定
・憂鬱になる
・集中力の低下
・怒りっぽくなる
・無気力
・急に泣きたくなる
・甘いものが食べたくなる
◆カラダ
・腹痛
・頭痛
・腰痛
・お腹が張る
・乳房が張る(痛む)
・動悸やめまい
・眠気
・不眠
・目覚めが悪い
・むくみ
・ニキビや肌荒れ
・体重が増える
・だるさ
など、ここに上げたもの以外にもたくさんの症状があります。
そして同じ人でも、その時の体調や環境によって症状の種類や重さが変わってくるのです。
症状として受け止めきれず自己嫌悪になってしまう人、人間関係が悪化してしまうなどの悩みを持っている人も多いのが現状。
PMSという言葉や症状も世間的に広まってはきていますが、この症状を自分自身で素直に受け止め、その時期はリラックスして過ごすようにしたいですね。
PMSを予防・改善するには?治療法はあるの?
ホルモンバランスの崩れからくる不調なので全てを完璧になくすことはできませんが、薬で改善させる方法があります。
PMSは症状が軽ければあまり気にするものではありませんが、明らかに生活や仕事に支障をきたしてしまう場合には専門医に相談して治療しましょう。
・仕事や生活がうまくいかなくなる
・イライラして人に当たってしまう
・体が思うように動かない
これらに思い当たることがあればPMSの治療をおすすめします。
<PMS改善方法>
◆低用量ピル
婦人科、産婦人科で処方して貰える薬です。
服用すると女性ホルモンのバランスが整い、PMSの辛い症状を収める効果があります。
ただし副作用があり、間違えた使用をすると思わぬトラブルを起こすことがあるため医師の指示に従って飲むようにしてください。
また、ピルは飲むタイミングがきっちり決まっているので忘れやすい人には向いていません。
飲み忘れを防ぐためにスマホや携帯のタイマー機能を使ったりピルケースを使うと良いでしょう。
◆漢方薬
PMSの治療には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や加味逍遥散(かみしょうようさん)がよく処方されます。
漢方薬は比較的に体に優しい薬ですが、それでも「薬」なので間違えた使用はしないでください。
漢方薬は長期間飲み続けることで、効果を感じるようになります。
医師の指示に従い正しい量を正しい期間飲むようにしましょう。
最近は漢方専門の薬剤師も増えています。
薬局で相談してみるのもありです。
漢方薬は体質や症状によって調合するものなので、場合によっては体に合わないこともあります。
違和感や異常があれば服用を中止してください。
<PMSの予防法>
◆食生活の見直し
野菜、肉、魚をバランス良く食べましょう。
栄養の偏りを無くすことで体の基礎が強くなりますし、PMSを悪化させないためにはビタミンやミネラルが重要です。
コンビニ弁当や外食が多い方は自炊してバランスを考えた食事を心掛けましょう。
栄養を食事だけでは全て補いきれないので、サプリメントの服用もおすすめです。
◆カフェインを控える
カフェインには自律神経や女性ホルモンのバランスを乱したり、ビタミンやミネラル、カルシウムなどの吸収を妨げたりする働きがあります。
その結果PMSの症状悪化にも繋がるので、注意しましょう。
◆良質な睡眠
睡眠時間が足りないのも不調を起こす元。
夜更かしはやめて早く寝るよう意識し、喫煙や飲酒は完全にやめなくとも控えましょう。
(無理に禁煙、禁酒をするとストレスが溜まる場合があります。酷いと生理自体が止まることも。)
◆ストレス解消
ストレスを溜めたままにしておくのはPMSの症状の「情緒不安定」を悪化させる可能性があります。
定期的に運動をしたり、趣味の時間を作るなど自分なりにストレス解消できることをしてください。
運動は体が温まり血流が良くなるのでPMS予防にはもってこいです。
趣味が無くても友達と会話を楽しむなど、それくらいのことで構いません。
仕事や人間関係などを忘れられる時間を作るのが大切なのです。
毎日仕事や家事、育児でいっぱいいっぱいの方も少しでも楽しめる時間を作るでだけで変わってくるでしょう。
まとめ~PMSを知ってちゃんと向き合おう~
女性の体はとてもデリケートで、月経前にはさまざまな不調を感じることもあるでしょう。
しかし、悪化させないために予防をしたりあらかじめ薬を用意しておくことでコントロールできます。
完全に改善ができなくてもいつでも対策できるように準備をしておけば、PMSの負担や不安も減らせるでしょう。
また、PMSの症状だと思っていたことが別の病気の症状であることも少なくありません。
我慢はしすぎず、重い症状に悩んでいるのなら医療機関で専門医に相談することも大切です。
PMSとしっかりと向き合って、毎日をハッピーに過ごしましょう。