少食なのに太りやすい人、よく食べるのにスリムな人がいるのは、なぜでしょうか?
「カロリー制限をしているのにちっとも痩せない」
「そんなに食べていないのにすぐ太る」
このような痩せにくく太りやすい体質の人は、いくらダイエットに励んでもなかなか思うような結果につながりません。
この記事では、太りやすい体質の「本当の原因」を探り、痩せやすい体質へ改善していく方法をご紹介します。
太りやすく痩せにくい人、同じもの食べても自分だけ太るような人は、ぜひこの記事を参考に「太りにくい体質」を目指しましょう。
この記事でわかること
太りやすい体質とは?原因と特徴
一般的に太りやすい体質というと、どんな原因を想像するでしょうか?
太る体質の特徴を考えてみましょう。
太りやすい体質の特徴
太りやすい人というと
・普段からよく食べる人
・カロリーの高いものを好む人
・甘いものやお酒が好きな人
…というようなイメージがあるのではないでしょうか。
また、デスクワークで座りっぱなし、運動嫌い、インドア派など、あまり体を動かさない人という印象もあるかもしれません。
摂取カロリーが高く消費カロリーが低い生活を続けていれば、徐々に体内に脂肪をため込んで肥満体型になっていくのは自然な現象といえます。
太った理由を思い起こして、これらに心当たりがあれば、まずはここから解消していくのが先決でしょう。
太りやすい体質でよく言われる原因
適正なカロリー以上の食事をとれば、消費しきれなかったカロリーが脂肪となって体内に蓄積されていきます。
たとえ摂取カロリーは適正でも、日ごろの運動不足で消費カロリーが落ち込んでいたり、動かないことで体の代謝が落ちたりして、結果的にカロリーが余剰となり太ってしまうことも。
いわゆる「肥満遺伝子」を持っている人は、そうでない人に比べて、太りやすく痩せやすいといわれています。
確かに、これらは脂肪が増える原因だと考えられています。
ですが「食べてないのに太る」というようなケースでは、もしかしたら別のところに肥満の本当の原因が隠れているかもしれません。
太りやすい体質と太りにくい体質の違い
最近、肥満の原因のひとつとして「腸内細菌」の影響が注目されているのをご存じでしょうか?
痩せようとさまざまな努力をしているのに、ちっとも痩せない……
と悩んでいる人は、太りやすさや痩せやすさをコントロールするといわれる「デブ菌」がダイエットの邪魔をしているのかもしれません。
新事実!デブ菌・ヤセ菌が存在した?!
実は、2013年にアメリカの大学でおこなわれたある研究で「腸内細菌が肥満に影響する」という結果が報告されています。
この研究は、食生活や遺伝子構造が似ている一卵性双生児の女性4組に協力してもらっておこなわれました。
痩せている双子と肥満の双子、それぞれの便をマウスに移植し、同じエサと運動量で1か月のあいだ育てたところ
肥満の双子の便を移植されたマウスの方が、痩せた双子の便を移植されたマウスよりも、脂肪量が20%も多く蓄積されたそうです。
さらに、2つのグループのマウスを同じゲージ内で飼育したところ、ここでも興味深いデータが見られました。
同じゲージ内で飼われているマウスは、エサだけでなくそれぞれの糞も食べます。
その経過を観察したところ、肥満のマウスは痩せたマウスの糞を食べた結果、体重が減少したのです。
一方、痩せたマウスは肥満のマウスの糞を食べて、いったいどうなったでしょうか?
答えは「太らなかった」です。
つまり、痩せたマウスは肥満マウスの糞を食べたにもかかわらず、その影響を受けなかったのです。
この結果により、研究チームは以下のように結論づけました。
・痩せた人の腸内細菌は、肥満の人の腸内細菌の影響を受けにくい
・肥満の人の腸内細菌には、肥満を防ぐ菌が少ない
このことから、腸内細菌には、いわゆる「デブ菌」と「ヤセ菌」が存在することがわかったのです。
デブ菌を減らしてヤセ菌を増やす方法
上記の研究では、肥満の人ほど「ファーミキューテス類」という肥満型腸内細菌が多く、逆に痩せている人ほど「バクテロイデス」というやせ型腸内細菌が腸内に多く存在していることが判明しました。
このバクテロイデスは、体内で脂肪の吸収を抑えつつ、同時に脂肪を燃焼させる「短鎖脂肪酸」を作り出します。
つまり、このバクテロイデスこそが肥満を予防する「ヤセ菌」というわけですね。
太りやすい体質を変えるためには、いかに「バクテロイデス=ヤセ菌」を腸内で増やすかがポイントだということです。
太りやすい体質を変えて痩せるには
太らない体質になるには、まずは腸内環境の状態に意識を向けなければなりません。
いくら食事の改善や運動をがんばっても、腸内をデブ菌が支配していたら努力の意味がなくなってしまうからです。
そのために、ぜひすぐに取り組んでいきたい対策法をお伝えします。
【デブ菌対策①】腸内フローラを整える
腸内フローラとは、多種多様な菌がバランスをとりながら生息している腸内環境の様子のことをいいます。
まずはこの腸内フローラを整えることが、痩せやすい体質の土台づくりといえるでしょう。
腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分けられます。
それぞれの働きの違いは、以下のとおり。
・悪玉菌……腸内を腐敗させて有害物質を作り出し、老化を引き起こしたり免疫力を低下させたりする。ウェルシュ菌など。
・日和見菌……腸内で、善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢な方の味方をする。
デブ菌「ファーミキューテス類」とヤセ菌「バクテロイデス」は、実はどちらも「日和見菌」に分類される細菌類。
腸内フローラを整えることで、ヤセ菌であるバクテロイデスを味方につけて腸内を痩せやすい環境へ変えていくことが可能となります。
◇そのカギのひとつが「食物繊維」
バクテロイデスなどのヤセ菌は、食物繊維が大好物。
ヤセ菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂取することで、肥満を防ぐ「短鎖脂肪酸」をたくさん作ることができます。
食物繊維は、便秘の解消や満腹感を得やすいことから、もともとダイエット効果が期待されている栄養素。
日ごろから食物繊維を含む食品をよく食べることで、それらの効果とともにヤセ菌を活性化させて、より結果の出やすいダイエットが可能になるわけです。
【デブ菌対策②】筋肉をつけて基礎代謝を上げる
次に欠かせないのが、体の代謝アップです。
太りにくい人の特徴は「代謝がとても活発なこと」。
その代謝を支えている要素のひとつが、筋肉の量なのです。
筋肉が多い人は、普通の人よりも体温維持や活動時などにエネルギーが多く使われるため、カロリー消費量が上昇します。
同じ生活をしていても、筋肉量の多い人の方が太りにくいということですね。
筋肉は何歳からでも鍛えて増やすことが可能ですし、体に筋肉がつけば体型も引き締まり、ただ痩せるだけでなくスタイルがぐんとよくなるというメリットもあります。
【デブ菌対策③】規則正しい生活を心がける
腸内フローラを整えるには、規則正しい生活が欠かせません。
よい生活習慣が身についていると、ストレスをためにくくすこやかな腸内環境を保つことができます。
最近は、太りやすい体質かどうかを調べる「ダイエット遺伝子検査」なども流行っていますが、結局は診断内容にかかわらず「食べ過ぎを防ぎ、体をよく動かして規則正しい生活を送る」という基本が大切であることに気づかされるでしょう。
キレイに痩せる方法は、まず腸内フローラを整えて体内から痩せやすい環境をつくることが大切で、そのためには生活習慣の改善が必須です。
できるだけ早寝早起きをして、日中は活発に体を動かすことを心がけましょう。
【まとめ】太る体質は変えられる!痩せ体質を目指して
女性はいつまでもスリムな美しい姿でいたいものですね。
今回は、痩せやすく太りにくい体質をつくる要となる「腸内環境」について、デブ菌・ヤセ菌の存在や、腸内フローラを整える重要性について、お話ししました。
痩せる体づくりのために、ぜひ腸内環境の見直しからはじめていきましょう。
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