便秘の日が続くと肌の調子が悪くなる……という経験はありませんか?
実は、腸と肌は関係が深く、腸内環境が悪くなると肌にもトラブルが出やすくなってしまうのです。
今回は肌の健康を損なう便秘について、肌トラブルを起こす原因や、便秘の効果的な解消法をお伝えします。
日ごろから肌荒れに悩んでいる人、頑固な便秘で困っている人は、ぜひ問題解決に向けてこの記事をじっくり読んでみてください。
便秘とはどういう状態?
まずは、どういう状態を便秘というのか「便秘の定義」を把握しておきましょう。
自分に当てはまるかどうか、要チェックです!
便秘の定義
実は、さまざまな機関でそれぞれ便秘の定義というものを設けており、とくに「国際消化器病学会」では以下のようなこまかい基準を定めています。
・排便の4回に1回以上が硬い便
・自力で排便できず指や綿棒などを利用して排便する回数が4回に1回以上
・強いいきみ、残便感、閉塞感がある回数が4回に1回以上
ただ、なかには毎日お通じがあっても何となくスッキリしない人や、逆に、回数は少なくても不快な症状がいっさいなく快適に過ごせている人もいると思います。
排便の適正なペースには個人差がありますので、これらの基準はひとつの目安と捉え、もしこの基準に当てはまらなくても排便に不調を感じているのであれば、ぜひ積極的に腸内環境の改善に取り組んでいきましょう。
便秘になるとどんな問題が起こる?
便秘になったとき、いちばん問題なのは「善玉菌が減って悪玉菌が増えてしまうこと」。
善玉菌は、消化吸収をサポートしたり免疫機能を支えたりして体の健康を守ってくれる私たちの味方です。
一方、悪玉菌は、有害物質やガスを発生させたり、腸内環境を悪化させて下痢や便秘を引き起こしたり、発がん性物質を作ったりと、体にさまざまな悪影響を与える厄介もの。
便秘になるとこのような悪さをする悪玉菌が増えてしまうため、その影響でさらに排泄機能が低下したり、便やおならが臭くなったり、免疫機能が弱まってしまったりと、多くのトラブルが出てきてしまうのです。
とはいえ、悪玉菌をまったくゼロにする必要はなく、大切なのは善玉菌と悪玉菌のバランスです。
私たちの課題は、悪玉菌が必要以上に増え過ぎないようにうまくコントロールすること。
腸内で悪玉菌が優勢になってしまうと体のあちこちに害を及ぼしてしまうため、積極的に善玉菌を増やして腸内環境をいい状態に保っておくことが重要なのです。
便秘で肌荒れを起こす理由
便秘が体によくないことは分かっても、なぜ肌にまで影響が出てきてしまうのか不思議に思いませんか?
その理由は「皮膚は重要な排泄器官のひとつ」だからです。
皮膚の毛穴からは、汗や皮脂が日々排泄されています。
夕方になると顔がテカってくるのは、皮膚から汗や皮脂が分泌されるからですし、鼻にできやすい角栓は皮膚からの排泄物がかたまったもの。
脂肪分の多い料理を食べたあとにニキビや吹き出物ができるのも、皮膚が余分な油を毛穴から排出しているせいなのです。
このように、皮膚は体内にたまった老廃物や有害物質などを排出するための排泄器官であるため、便秘になって体内に毒素がたまるとどうしても出口である肌に影響が出やすくなってしまうわけですね。
これが腸内環境と肌の関係です。
また、便秘で悪玉菌が増えて免疫力が低下すると、体の自然治癒力も弱まり、ニキビや吹き出物の治りが遅くなったり、肌荒れがさらに悪化してしまったりといったトラブルも起こりがちに。
便秘が原因で生じやすいニキビ、肌荒れ、ザラつきなどの肌トラブルをなくし、美しい肌を維持していくためには、便秘を改善して腸内環境をよくしていくことがとても重要なのです。
便秘を改善・解消する方法
便秘を解消する方法として、まっさきに便秘薬を思いついた人は要注意!
便秘薬はたしかに即効性があり効き目もバツグンですが、安易に薬に頼るのはとても危険です。
問題は、便秘薬を飲み過ぎると、そのうち体が薬の成分に慣れてしまい効き目が落ちてくること。
すると、便秘の状態がさらに悪化したり、薬の量がどんどん増えてしまったりというリスクにつながります。
便秘は食習慣や生活習慣の乱れが原因になっていることが多く、まずはそこから優先的に改善していくことが大事です。
それでは、具体的な便秘の解消法方法をご紹介しましょう。
水を飲む
体内の水分が足らないと便が硬くなってしまいます。
水分を十分にとると便がやわらかくなって排便がスムーズになるので、日ごろから意識的に水を多く飲むよう心がけましょう。
また、朝起きたあとにコップ1杯の冷たい水を飲むと、腸が刺激されて便が出やすくなります。
食物繊維をとる
便秘の予防・改善のためにぜひ摂りたいのが「食物繊維」です。
食物繊維の理想的な摂取量は、女性の場合1日に18g以上。
食物繊維を多く含む食べ物には以下のようなものがありますので、積極的にメニューに加えましょう。
・大豆、納豆などの豆類
・さつまいも
・こんにゃく
・ごぼう
・ふき
・青菜類
・海藻類
・きのこ類
・柑橘系の果物
善玉菌をふやす
便秘の解消に役立つのが「善玉菌」です。
善玉菌を増やすには、和食を基本としてバランスのいい食事をするのが効果的。
また、味噌、ぬか漬け、キムチ、納豆などの発酵食品もおすすめです。
乳酸菌やビフィズス菌などが入ったヨーグルトを毎日食べるのもよいですね。
運動を習慣にする
運動不足になると、排便に必要な筋力が低下して便秘をまねいてしまうことがあります。
そのため、便秘を避けるには日ごろから適度な運動をして筋力の低下を防ぐことが大切。
これまで運動習慣のなかった人は、急に激しい運動をするのではなく、近所を散歩したり駅では階段を使ったりなど、負担が少なく続けやすいことから始めましょう。
便秘薬を利用する
食習慣や生活習慣を改善しても便秘の症状が良くならず、生活に支障をきたす場合には、市販の便秘薬を試す前にできれば病院を受診するのが望ましいです。
もしかしたら、便秘の影になにかの病気が隠れている可能性もあるので、なるべく自己判断は避けて早めに専門医に相談しましょう。
病院では適切な検査をして症状に合った薬を処方してくれますので、しっかり医師の処方を守って服用することが大切です。
また、効き目がやさしく比較的安心して飲める薬として、漢方薬があります。
普通の薬よりも副作用が少ないのが特徴で、妊娠中も服用できる点がメリット。
保険も適用されますので、漢方薬を使った便秘治療に興味のある人はぜひ医師に相談し、体質に合った漢方薬を処方してもらいましょう。
まとめ~便秘と肌の関係性はとても深い~
腸内環境と肌の健康は、切っても切れない関係です。
便秘が解消されなければ、どんなに高価な化粧品を使って念入りなお手入れをしても、美しい肌づくりは難しいでしょう。
本当の美肌は、体の内側からの整えることが重要なのです。
まずは、食習慣と生活習慣を見直すことからはじめ、便秘の原因をひとつずつ解消して肌トラブルのないクリアな肌を目指していきましょう。
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