SPFとPAの違いとは?目的別に日焼け止めの数値のベストな選び方を解説

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  • 渡辺有美 
  • 投稿者 : 渡辺有美  
  • 公開日:2019/06/26 最終更新日:2019/06/28

日焼け止め製品を購入するとき、選ぶ目安になるのが「SPF」や「PA」の数値です。
ですが、SPFとPAがいったい何のことを指しているのか実はよく知らない……という人もいるのではないでしょうか。

紫外線が強くなる季節は、日焼け止めの選び方がとても重要になってきます。
SPFとPAが何を意味しているのかを知っておくと、肌質やシーンに合わせた最適な日焼け止めを選ぶことができますよ。

この記事では、SPFとPAの違いをわかりやすく解説し、シチュエーションや季節別におすすめの日焼け止めクリームの選び方をご紹介します。

ぜひ「SPF」と「PA」の数値の意味を正しく理解し、商品選びにいかしていきましょう。

まずは紫外線の種類を知っておこう


紫外線という言葉を聞くと、一様に「肌によくないもの」「避けるべきもの」といったイメージがわくかと思いますが、実は紫外線には大きく分けて3種類の光があり、それぞれ私たちの肌に与える影響は異なります。

紫外線は波長によって「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3つに分けられており、市販の日焼け止め製品は「UV-A」と「UV-B」を防ぐものがメインとなっています。

では、「UV-A」「UV-B」「UV-C」は、それぞれ肌にどのようなダメージを与えるのか、くわしくみていきましょう。

紫外線「UV-A」
地上に降りそそぐ紫外線の約95%がUV-Aです。

UV-Aは、力はそれほど強くないものの肌への浸透力が強く、真皮にまで達してコラーゲンやエラスチンといった美肌に欠かせない成分を破壊してしまいます。
その結果、シワやたるみの発生をまねき、肌の老化を進めてしまうことに。

UV-Aは、室内にいても窓を通り抜けてくるので油断は禁物。
外出の予定がない日や、天気が悪い日でも、しっかりUV対策をしてUV-Aを防ぐことが肝心です。

紫外線「UV-B」
真皮まで侵入するUV-Aと異なり、UV-Bは表皮に強いダメージを与えます。

皮膚が赤くなったり水ぶくれができたりと、いわゆる日焼けの症状を引き起こすのがこのUV-B。
浴びるとメラニン色素が大量に発生するため、シミやそばかすの原因にもなります。

UV-Bは非常に強いエネルギーを持ち、肌への負担もUV-Aとは比較にならないほど深刻なため、強力な日焼け止めでしっかり肌をカバーして、なるべくUV-Bを浴びないように気をつけましょう。

紫外線「UV-C」
UV-Cは、上記のUV-A、UV-Bよりもエネルギーが強く有害な光です。
強い殺菌作用を持ち、人体への影響も大きく、皮膚ガンや白内障の原因となるリスクも。

これまで、UV-Cはオゾン層に遮られて地上に届くことはないといわれてきましたが、ここのところ問題になっている「オゾン層の破壊」により、最近はUV-Cによる害が懸念されています。

SPFとPAの違いとは


日焼け止め製品を選ぶときに、多くの人が目安にしている「SPF」と「PA」。
なんとなく「大きい数値ほど効果が高いんだろうな~」と、アバウトな感覚で選んでいませんか?

でも、SPFやPAは数値が高ければ高いほどよいというわけでもないのです。
その理由を、SPFとPAの違いとともにみていきましょう。

SPFの意味
SPFは、「Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)」の略で、おもに日焼けの炎症やシミ・そばかすを引き起こすUV-Bを防ぐ目安となる数値です。

分かりやすく説明すると、素肌の状態にくらべてUV-Bによるダメージをどのくらいの時間防ぐことができるかを数値化したものがSPFです。

たとえば、SPF30の日焼け止めであれば、UV-Bを浴びてから肌がダメージを受けるまでの時間を、通常の30倍遅らせることが可能になります。

SPFによって紫外線ダメージを防ぐことのできる時間は、SPF1で約20分

SPF30の日焼け止めを肌に塗ると、20分×30倍=600分となり、個人差はあるものの、数字上では約10時間ものあいだ紫外線による肌の負担を防ぐことができる計算になります。

SPF値が大きいほどUV-Bをカットする効果が高くなり、今のところ最高値は「50+」となっています。

PAの意味
PAは「Protection Grade of UVA(プロテクショングレードオブユーブイエー)」の略で、シワやたるみの原因になるUV-Aを防ぐ数値のこと。

こちらは数字ではなく「+」の数で強さをあらわしています。
「PA+」から「PA++++」までの4段階があり、「+」の数が増えるほど高い紫外線カット効果が期待できます。

UV-Aは冬季に減少するUV-Bと違い、一年中空から降り注いでいるため、年間をとおした紫外線対策を意識しなければなりません。

UV-Aは弱い光ながらも、じわじわと皮膚の奥まで浸透してシワやたるみの原因になるため、冬でも屋外にいる時間が多い人や、室内にいても窓際で過ごす時間が長い人は、気を抜かずにしっかりUVケア製品で紫外線をカットしていきましょう。

「数値が高いほどいい」は間違い!


「それほど肌に悪い紫外線なら、SPF50やPA++++などの強い日焼け止めを使っていれば安心なのでは?」
このように思う人がいるかもしれませんが、その方法はあまりおすすめできません。

確かに、SPFやPAの数値が大きいほど紫外線カット効果が上がるので安心だと思ってしまいがちですが、数値が高くなればそれだけ肌への負担も増してしまうことに。

あまり強い日焼け止めばかりを塗っていると、肌の乾燥や刺激による肌トラブルを引き起こす危険が高まってしまうのです。

さらに、SPFやPAの数値が高い製品やウォータープルーフの日焼け止めは、洗い流すときにも強い洗浄剤を使わなければなりません。
これでは肌へのダメージは増すばかりですね。

そのため、必要以上に強い日焼け止めを使うのは避け、そのときの状況にマッチした数値の日焼け止めを上手に使い分けていくことが大切です。

それでは、シチュエーション別に、日焼け止めの選び方のコツをご紹介します。

目的別「SPF」「PA」の数値の目安


紫外線を浴びる量は、季節や状況によって大きく変化します。
ここでは、日常・お出かけ・レジャーなどのシチュエーション別におすすめのSPF・PAの数値をお伝えします。

日常生活の範囲内
ぶらりとお散歩に出かけたり、近所のスーパーへ買い物に行ったりというような日常の軽い外出であれば、SPF15~SPF20PA+~PA++程度で十分でしょう。

とくに外出はせず、洗濯物を干したりゴミ出しをしたりするときに少し日に当たる程度なら、SPF10、PA+くらいのライトな日焼け止めでOKです。

屋外でのスポーツやレジャー
屋外で1時間程度、子どもと遊んだり運動をしたりする場合は、しっかりと紫外線対策をおこないましょう。

SPF20~SPF30PA++~PA+++あたりの日焼け止めを選ぶのが望ましいです。
加えて、帽子やUV手袋を身につけておくとさらに安心ですよ。

炎天下でのスポーツやレジャー
海や山などのリゾート地でスポーツやレジャーを楽しむ場合は、長時間太陽の光にさらされることになるので、念入りな紫外線対策が欠かせません。

SPF40~SPF50PA+++~PA++++の、強力な日焼け止め製品でしっかりUVカットをしましょう。

また、紫外線だけでなく熱中症予防の観点からも、帽子の着用は必須です。
日焼け止めを塗ったうえから、UV加工のカーディガンなどの上着を羽織れば、肌をより効果的に紫外線から守ることができます。

シーズン外の紫外線対策
紫外線は3月~10月あたりがいちばん照射量が多く、11月~2月になるとガクッと少なくなります。

とはいえ、UV-Aは季節や天候に関係なく降り注ぎますので、UV対策は年間をとおしたマストケア。
紫外線の少ない秋から冬にかけては、露出する顔や手を中心にSPFやPAの低い日焼け止めを軽く塗っておくことをおすすめします。

目安は、SPF10、PA+あたりのもので、屋外で過ごす時間が長い日は、SPF15~20、PA+~PA++くらいがよいでしょう。

日焼け止めを使うときの注意点
日焼け止めはその名のとおり紫外線カット効果はありますが、紫外線を100%防ぐことが保証されているわけではありません。
そのため、SPFやPAの数値が高いものでもあまり過信せず、2時間くらいたったらこまめに塗り直すのがおすすめです。

また、耳や首の後ろは塗り忘れの多い部位なので、とくに屋外で長時間過ごす日はうっかり日焼け止めを塗り忘れていないか、外出前にしっかり確認しましょう。

まとめ~SPF・PAの意味を理解して正しくUV対策を~


紫外線はもちろんカットするに越したことはありませんが、強過ぎる日焼け止めは使い方を誤ると逆に肌への負担になりかねません。

SPFとPAの数値の目安を知り、利用シーンに応じた強さの日焼け止めをうまく使い分けて、UVカットと肌の安全のバランスを保っていきましょう。

また、同じSPF値、PA値でも、低刺激処方で敏感肌の人でも安心して使える商品もありますので、肌が弱くて日焼け止めを使うのを躊躇している人も、お店でいろんな日焼け止め製品をチェックしてみてくださいね。

日焼け止めの使い方を工夫して、ぜひ美しい肌を1年中キープしていきましょう。



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