年齢を重ねるとともに、痩せにくくなったと感じている人は多いのではないでしょうか。
若い頃は少し気をつけていれば増えた体重が戻っていたとか、なかなか太ることができずに悩むなど体重増加とは無縁だった人も、40代になってからではそうもいかなくなるという方が急増!
この原因の一つが更年期脂肪です。
そこでここでは更年期脂肪がついてしまう原因や落とす方法などを余すところなくご紹介してきましょう。
更年期脂肪の基礎知識!正体とは?
女性は赤ちゃんを産み、育てるためにもともと脂肪が付きやすいという体の特徴がありますが、更年期脂肪は特に更年期と呼ばれる40代半ば頃から気になり始める脂肪です。
更年期とは女性が閉経を迎える前後約10年間を指し、思春期のように体の様子や調子が大きく変化する時。
再び訪れる女性としての大きな体の変化の時期「更年期」には、女性ホルモンの分泌がアンバランスになり、代謝が低下することで、今までのようにエネルギー消費をすることができず、脂肪として体内に溜まりやすくなります。
これが、更年期脂肪と呼ばれ、太りやすくなるのはこの時期特有のものと言われています。
更年期脂肪がつく原因
◆女性ホルモンの乱れが内臓脂肪を増やす
前述にもあるように、更年期脂肪は閉経に向けて女性ホルモンのバランスが乱れることが原因で増えやすくなります。
女性ホルモンには、プロゲステロンとエストロゲンの2種類がありますが、特にエストロゲンは内臓脂質の代謝に関わるホルモンです。
生理のあるうちはエストロゲンの分泌も十分にあるので、内臓脂肪を代謝し、定着しにくくしてくれます。
閉経が近づくと卵巣の働きが弱まってくるため、女性ホルモンの分泌量が減少することから、エストロゲンの量もそれに伴うようにして減少。
すると、内臓脂肪を代謝・分解する働きが衰え、体に脂肪としてため込みやすくなるのです。
◆代謝の低下が皮下脂肪増大の原因に
加齢とともに筋肉量が低下し、代謝が衰えてくることも原因の1つ。
皮下脂肪はもともと女性につきやすい脂肪で、分解されにいという特徴があるため、代謝が落ちることでさらにおなか周りやお尻、太ももなどのぷよぷよ感が気になるようになるのです。
さらに代謝の低下はむくみも引き起こし、水分や老廃物を体の中にため込みやすくなります。
血流やリンパの流れが滞ることで、脂肪細胞にはデトックスできなかった老廃物がくっつくようにして肥大化し、セルライトに。
こうなると、さらに痩せにくくなり、更年期脂肪としてますます増えていってしまいます。
◆運動不足や生活習慣も影響
子育てや家事、仕事で走り回っていた若い頃に比べて、更年期では活動量がグンと下がります。
動きもスローになり、日常生活でのカロリー消費が減るという人が大半。
日頃から「動くこと」を心掛けて生活していなければ、更年期脂肪をため込みやすくなります。
また、年を重ねるごとに代謝が落ちていくのに、若い頃と同じような食生活を続けているという人も要注意。
例えば、からあげやハンバーグなどの脂っこいもので胃もたれするようになったと感じている人は、体の代謝機能が落ちている証拠です。
昔はきちんとエネルギー消費できていたものができなくなり、消費しきれなかったエネルギーが脂肪になって蓄積してしまいます。
寝不足や疲れ、ストレスは、自律神経のバランスに悪影響を与え、血行不良からの冷えや代謝が悪くなりむくみやすくなるなど、これらも更年期脂肪の原因に。
更年期脂肪をつけないためには今まで以上に食生活や生活習慣に気を付けることが必要になるのです。
更年期脂肪の落とし方
【運動】
運動をして筋肉量を増やすことで、代謝を上げることができます。
運動をすることで特に効果があるのが内臓脂肪の燃焼。
内臓脂肪は筋肉の内側に付く脂肪なので、筋肉がこの内臓脂肪エネルギーとして取り込んで燃焼しやすくなります。
皮下脂肪は、筋肉の外側に付く脂肪で、少しの運動だけではなかなか解消することができませんが、運動を続けて筋肉量が増え、体全体の代謝が上がることで、自然と落ちやすくなるでしょう。
ただ、いくら運動が更年期脂肪対策にいいとはいえ、普段運動に慣れていない人がいきなりハードなトレーニングを始めると体の不調の原因になるので、はじめは負荷の軽いものから行いましょう。
ウォーキングや軽いランニング、腹筋やストレッチなど、自宅で手軽にできるものは毎日続けやすくておすすめ。
通勤で一駅分歩く、エスカレーターではなく階段を使って上がるようにするなど、日常の心がけ次第でも積み重ねれば大きな効果となって現れます。
【生活習慣の改善】
更年期にはただでさえ女性ホルモンのバランスがアンバランスになり、自律神経も乱れがちになります。
自律神経は、体を活動的な状態にする交感神経と、リラックスモードにする副交感神経がバランスを取り合うことで、健康を保っているもの。
このバランスが乱れると、血流や代謝の悪化、消化機能の衰えや冷えなどを引き起こし、さらに精神の不調から暴飲暴食に走るなど心にも悪影響を与え、更年期脂肪の増大を助長します。
自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活が最も効果的。
睡眠不足は、脳をはじめとした体全体の働きを鈍らせるので、出来れば6時間から8時間の睡眠時間を確保することができるように早めに寝ることが大切です。
ストレスを溜めないように、自分なりの解消法を見つけておくことや、アルコールを摂取しすぎないこと、ジャンクフードばかりではなく食事の栄養バランスに気を付けることなど、体にいいことを心掛けて生活するようにすると、自然と自律神経が整い、代謝が良くなります。
代謝を促進するためには、何より健康であることが一番大切なのです。
【漢方やサプリメントの服用】
最近では、更年期脂肪対策として漢方やサプリメントを服用するという人も多くいます。
漢方薬では体のさまざまな働きのバランスを整えることで、衰えがちな代謝や血行不良を改善し、脂肪を燃焼しやすい体に導きます。
皮下脂肪が多いとか胃腸が弱い、便秘がちであるなど、その人の肥満のタイプに合わせて漢方薬局や病院で処方してもらうことが可能ですが、保険が適用されない自由診療になることが多いので、ある程度のコストがかかるということを頭に置いておきましょう。
脂肪の燃焼を助けるためのサプリメントは、主に内臓脂肪を減らす目的のものです。
漢方が配合されているものや、むくみ解消のための有効成分が入っているものなど、商品によって特色があります。
規則正しい生活習慣やバランスの良い食事に加えて、補助的な役割として使うと効果的ですよ。
まとめ~日々の積み重ねで更年期脂肪を撃退しよう~
更年期になるとつきやすくなる脂肪。
女性ホルモンがアンバランスになることで内臓脂肪がつきやすくなったり、筋肉量の低下や代謝の衰えが皮下脂肪を増やす、活動量が低下することで若い頃に比べて太りやすくなったりします。
これは自然なことであり、ある程度はしょうがないこと。
ただ、日常の行動や心がけ次第で、健康で美しいスタイルをキープすることは十分可能です。
バランスの取れたスタイルを保ち続けることは、エイジングケアにもつながるので、ぜひ紹介した方法で更年期脂肪対策を実践してみてくださいね。
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