妊娠中の「つわり」の原因と症状を軽減する方法を総まとめ

[PR]
  • 渡辺有美 
  • 投稿者 : 渡辺有美  
  • 公開日:2019/07/08 最終更新日:2019/07/11

赤ちゃんを授かって幸せいっぱい!という妊婦さんにふいに訪れるのが、吐き気やだるさといったつわりの症状

新しい命の誕生はとてもうれしいはずなのに、毎日続くつわりの苦しみに妊娠生活を憂鬱な気分で過ごす人もいることでしょう。
妊娠中は体にさまざまな変化が起こりますが、なかでもつわりの症状は妊婦さんにとって非常につらいもの。

そこで、妊婦さんにぜひ知っていただきたいのが「つわりを軽減する方法」です。
今回は、つわりの原因や、つわりがいつからいつまで続くのかをくわしく説明し、症状をやわらげるコツを紹介します。

つわりはなぜ起こる?原因を解説


人によって症状の程度は異なるものの、妊娠から出産までのあいだに7~8割もの妊婦さんがつわりを経験するといわれています。

ところが、つわりの症状の出方は非常に個人差が大きく、なかには一切つわりの症状が出ないという人も。

いったいどのようなメカニズムでつわりが起こるのか気になるところですが、実はつわりの原因はいまだはっきりとは解明されていません

現在、考えられているいちばんの原因が「ホルモンの変化」です。
妊娠をすると、胎盤から「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが大量に分泌され、妊娠を支える女性ホルモン「プロゲステロン」の産生をサポートします。

プロゲステロンは、子宮内膜に厚みを持たせたり乳腺を発達させたりして出産に向けて母体の準備をする、妊娠に欠かせないホルモン。
このプロゲステロンの産生や維持に関わるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)がつわりの原因になっている、というのが一般的な説です。

ほかにも、メンタル面のストレス、自律神経の乱れ、ミネラル等の栄養不足といった説もあり、さらにはおなかの赤ちゃんがすこやかに成長できるよう母体の安静をうながしているという考えもあるようです。

つわりの代表的な症状


つわりというと、吐き気嘔吐を思い浮かべる人も多いと思いますが、つわりの症状はほかにもたくさんあります。
また、症状の度合いも人によってさまざま。

つわりでよく起こる症状には、以下のようなものがあります。

・体のだるさ
・眠気(眠りつわり)
・匂いに敏感になる(においつわり)
・空腹時のムカムカ(食べつわり)
・吐き気、嘔吐(吐きつわり)
・味覚の変化

ほかに、「よだれがたくさん出る」「食の嗜好が変わる」「車酔いのような感じが続く」などの症状も。

つわりの期間はいつからいつまで?


つわりの最中は、この苦しい症状はいったいいつまで続くのか……と不安に駆られるものですが、通常は妊娠中期に入る5~6カ月あたりから楽になってくる人がほとんどです。

おおよそ、5~6週のころからつわりの症状が出始め、9週目前後がいちばん症状が強く、15~16週目に落ち付いてくる人が多いといわれます。

とはいえ、つわりがいつからいつまで続くかは個人差が大きく、なかには安定期に入ったあともつらい症状が続く人も。

体質によってはこのようにつわりが長期にわたるケースもあるため、妊娠中はつわりの症状とうまく付き合っていく工夫が必要です。

これからお話しする「つわりの症状をやわらげるコツ」を参考にして、ぜひ自分に合ったつわり軽減法を見つけてください。

つわりの症状を軽くする方法


つわりの苦しさをやわらげるには、それぞれの症状に応じた対策をとるのがポイントです。

症状別にくわしい対策方法をご紹介しましょう。

吐きつわり対策
1日中、胃がムカムカして吐き気をもよおしたり、何とか食事をしてもすぐに吐いてしまったり。
吐く行為はとても苦しく、体力を消耗します。
そのうえ吐くことによって栄養も不足しがちになるため、心身ともに参ってしまう人もいるでしょう。

そんな吐きつわりに悩む人は、とにかく食べられそうなものを食べることを心がけてください。
この時期は栄養バランスよりも、口にできるものを少しでも摂取することが大切です。

ただ、ひとつだけ気をつけたいのが、水分と塩分の不足
嘔吐が続くと体内の水分量と塩分量が減ってしまうので、スポーツドリンクなど体に負担なく摂取できるものをこまめに口にしましょう。

水分や塩分が不足すると脱水症状を起こすリスクが高まるので、たいへん危険です。
スポーツドリンクのほか、ビタミンやミネラルを一緒に摂取できる味噌汁や野菜スープもおすすめですよ。

また、極端に食事がとれない場合は、サプリメントで栄養を補給する手段もあります。
その際は、事前に主治医に相談して指導を仰ぐようにしましょう。

食べつわり対策
おなかが空くと胃がムカムカして気持ちが悪くなる、食べつわり。
このタイプは食事をすると吐き気が治まるケースが多いため、ついつい食べ過ぎてしまう傾向があります。

でも、食べ過ぎは胃を刺激して余計につわりの症状を悪化させたり、カロリー過多になって体重増加につながってしまったりするので、注意しなければなりません。

そこで食べつわりの人には、1回の食事量を抑えて食事回数を増やす方法がおすすめ。
空腹の時間を減らすことで、つわりを引き起こす頻度を抑えるのがポイントです。

また、ごはん・パン・うどんなどの主食中心の食事や、スナック類や洋菓子などのお菓子類は、血糖値の急上昇を招いて脂肪を溜め込みやすくするうえに、おなかが空くのが早い傾向にあるので、つわりを誘発してしまう危険も。

空腹感をなるべく感じないようにするには、主食やお菓子のような糖質だけでなく、肉・魚・大豆製品・卵といったたんぱく質や、野菜や海藻類などのビタミン・ミネラルをバランスよく摂取するのが効果的です。

また、食べつわりの人は朝起きたときに強いつわり症状が出ることが多いので、すぐに食べられる個包装のチーズやちくわやヨーグルトなどを軽く口に入れるとよいでしょう。

においつわり対策
妊娠中はにおいに敏感になる人が多いです。
もともと苦手だったにおいだけでなく、これまで何とも思わなかった匂いまでつらく感じるようになる人も。

とくに、タバコや生ごみのにおい、湯気や料理のにおい、歯磨き粉やメイク用品のにおいに拒否反応を示すケースが多く、日常生活のあらゆる場面でストレスを感じることが多くなります。

対処法は、なるべく苦手なにおいとは距離を置き、においをかがないで済むように工夫すること。

具体的には、以下のような方法が効果的です。

・マスクをする
・部屋の喚起をする
・料理は冷ましてから食べる
・洗剤や化粧品類は無香料のものを選ぶ
・消臭グッズを利用する
・ゴミは溜め込まず、こまめに掃除をする

ほかにも、部屋の中でタバコを吸うのを控えてもらったり、食事の支度ができないほどつらい日はスーパーの惣菜を利用したりして、なるべくにおいのストレスを減らしましょう。

眠りつわり対策
寝ても寝ても眠い、という眠りつわり。
妊娠中は誰でも眠くなりがちですが、仕事や家事に集中できなくなるほど強い眠気に襲われて悩んでいる人も多いです。

吐きつわりやにおいつわりに比べると、一見楽なつわりのように思えますが、強い眠気に抗うのは想像以上につらく、また体のだるさや頭痛を併発することもあり、決して楽とはいえません。
また、周りの目にはゴロゴロして怠けているように映ることもあるため、本人は理不尽な思いをすることも。

眠いときは、もし状況が許せばそのまま寝てしまうのがベストです。
ただ、現実には寝てばかりいるわけにもいきませんので、眠気をうまく紛らわすコツを身につけてうまく眠気と付き合っていくことが大切。

それでは、眠りつわりの対処法をご紹介します。

・散歩やかんたんな体操をして意識的に体を動かす
・ガムを噛む
・人と会う、話す
・冷たい水で顔を洗う

眠いときは自律神経の副交感神経が優位になっているため、逆に交感神経を刺激するのが眠気を吹き飛ばすコツです。
気分がシャキッとして覚醒状態になるよう、上記のようなことを試してみましょう。

つわり対策ツボ押し
吐き気や嘔吐の症状はとてもつらいものですが、妊娠中はかんたんに薬を飲むわけにはいきません。
そこで、ぜひ試していただきたいのが、つわり軽減効果のあるツボ押しです。

ツボ押しには、胃腸の働きを改善したり体をリラックスさせたりして、つわりを楽にする効果が期待できます。
代表的なツボを2つご紹介しましょう。

1.内関(ないかん)
内関は消化器系へ働きかけるツボで、胃のムカムカや食欲不振などの改善が期待できます。
さらに、精神面に作用してリラックス効果をもたらし、イライラやストレスの解消にも役立つ、まさに妊婦さんにおすすめのツボといえるでしょう。

内関の場所は、手のひらを上に向け、腕と手のひらの境から指3本分下に移動した位置の中央です。
反対側の親指を使い、すこし強めの力でグーっと7~8秒押してみましょう。

2.裏内庭(うらないてい)
裏内庭はおなかの不調の改善が期待できるツボで、腹痛・嘔吐の軽減に貢献してくれます。
食あたりにもよいそうですので、おなかの不調を感じたら試してみると良いかもしれません。

裏内庭の場所は、足裏の人差し指の下のふくらんでいる部位です。
親指で痛過ぎない程度の力で何度か押してみましょう。

病院での治療が必要なつわりのケース


もし、つわりが重症化して、嘔吐を何度も繰り返したり体重が減り続けてしまったりする場合は、妊娠悪阻の可能性があります。

吐き気や嘔吐が強くて食事はおろか水分さえとれないような場合は、すぐに病院を受診して適切な治療を受けましょう。

つわりの症状が重い場合は、入院して治療をおこなうケースもありますが、多少は食べたり飲んだりできる場合は通院で治療をおこないます。

自己判断はリスクをともないますので、つらいと思ったら迷わず主治医に相談してください。

まとめ~つわりと上手に付き合おう~


ただでさえ体の変化が大きくデリケートな妊娠期に、つわりで毎日苦しい思いをするのは大きな負担ですね。

でも、この記事で紹介したようなちょっとした工夫で、つわりのつらい症状を軽減できることがあります。

赤ちゃんの誕生は待ち遠しいものですが、出産までは長い道のり。
ストレスのたまりやすいマタニティライフを少しでも快適に過ごせるよう、ぜひこれらの対策法を試してみてください。

【あわせて読みたい記事】


関連記事

新着記事

人気記事

ReBON BLOG

PAGE TOP